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匠の技
なぜ伝統構法なのか

木造住宅建築の骨組みには様々構法が存在しますが、予算の許される限り、伝統構法を採用するようにしています。

在来構法の中でも伝統構法は今日となっては特別な仕事になってきていますが、その木組みによる構法の強さは、古民家など見ればわかるように歴史が証明しています。

しかし技術の進化により、普通の在来構法は工場でコンピューター制御された機械が材木を加工する「プレカット」が当り前になり、極力小さい材料を使い、金物を沢山入れて補強をし、計算で安全であることをチェックすれば良い様に造られています。

しかも柱や梁には、エンジニアードウッドと言われる薄く挽いた材木を樹脂で固めた集成材を使うことが一般的です。

その対極として、大きな通し柱と梁を用い、栓や楔で仕口・継手を固めた伝統構法は、大工さんが一本一本材木を見て精度の高い加工をすることが必要不可欠であり、その技術を使える職人さんがどんどん少なくなっていますが、日本の伝統としてこれからも大切にしたいと考えます。

金物使用で構造強度を担保する事が当り前になり、大工さんの加工の技術の甘さ、木に対する心がけの甘さにつながっていると感じます。

何十年、何百年生きてきた木に対する思いやりから、金物で締め上げ、ビスと釘だらけにしない事を、可能な限り実現していくべきだと思います。

木に人を添えて「休」と書きます。そんな作用のある木の使い方をしたいと考えています。